ベテラン塾講師ニシオカの日記

塾のみならず、プライベートなことも記しています。

生徒といっしょに覚える授業

当校では最大9科目(場合により10科目)まで対応しています。

普段は主要5科目のうちのいくつか、特に、英語・数学が多いです。

しかし、期末試験前になると実技4科目(音楽・保体・美術・技家)を行います。

それは生徒と相談の上、決めます。

自分でできるという場合は、主要科目に徹します。

 

今回の期末試験でも、何人かの生徒が実技科目をリクエストしました。

特に、中1の生徒は初めての定期テスト、かつ、9科目です。

中学の内容で最初の試験が9科目なんて酷ですね。

以前は1学期中間試験があったのですが、最近は実施を見送る学校が増えました。

あれこれ言っても仕方ありません。

9科目の試験がある事実は変わりません。

 

実技科目の対策授業について、当校ではこんなふうにすることが多いです。

1 試験範囲をもとに、テキストの内容チェックを行います。

2 試験に出そうなものをマークします。

3 マークしたところについて勉強法・暗記法を提案します。

 

英語や数学の授業とは違い、分からないことを教えることはほとんどありません。

なぜなら、テキストで調べればほとんど分かるからです。

稀に調べても解決できないことがありますが、ネット検索すればOKです。

 

大半の生徒は、内容の説明や解説などを求めていません。

求めていることはたった1つ、暗記できることです。

家庭学習でなかなか暗記ができないのを何とかしてほしいと思っているのです。

その気持ちはよく分かります。

私が学生のころ、彼らと同じ悩みを持っていたからです。

 

このサポートで私が最も伝えたいことは、暗記のしかたです。

暗記のまとめプリントを手渡して、「はい、覚えて!」という指示だけでできる生徒はそれでいいですが、それが難しい生徒は手本を示さなければいけません。

私が生徒役になり、覚える様を見せることで生徒はマネするようになります

ここが重要だと思います。

 

今回の試験のサポートで、その重要さを再確認できました。

一度示しておけば、その後言われなくてもできるようになります。

そして、実際にそれで暗記が上手くいけば、暗記に自信がつきます。

中学の勉強内容の多くは暗記ですから、成績も向上しやすくなります。

 

暗記できれば成績がとれるんだ!」という思考にさせること、私はこのことを実現するためにも実技科目にも力を入れているのです。

 

入試に直接関係ないから適当で済ませるという考えは誤りです。

音楽や保体などを暗記することで、暗記の要領が身につきます。

それを理科や社会などでも同じ要領でこなせるようになります。

 

また、実技科目は内申点が2倍になります。

数学で5をとれば5点加算ですが、音楽の場合は10点加算です。

内申点を稼ぐためにも、実技科目もきちんと取り組むべきです。

195点満点の内申点高校入試の保険になるくらい稼ぎたいですよね。

 

気軽に外国人と交流

昨夜はあるアプリを通して、マレーシア人の女性?とラインしていました。

詐欺の疑いもあるでしょうから、国籍も性別も偽りかもしれません。

ただ、詐欺であっても英語で意思疎通を図れるのでわたしはOKです。

 

名前はリンダ、、、イングリッシュネームですね。

時差が1時間しかないから交流しやすいです。

どんな人なんでしょうか?

相手のことを気遣える人かもしれません。

 

 

一応、今回のアプリでは、言語交換を目的として出会いを求めている人が前提です。

そのため、私はリンダの日本語力を知っておかなければなりません。

初級レベルということで、日本に観光で訪れたときに使えるようにしたいとのこと。

この秋に1か月間の滞在だと、ラインする前にアプリで話してました。

おすすめの場所と聞かれ、すぐさま答えられない私。

外国人におすすめの観光地のサイトのリンクを送っておまかせしました。(汗)

 

ひらがなは読めるみたいでした。

ボイスメッセージで送ってきて、実際に肉声を聞きました。

リンダのリアリティは高まりました。

リンダが新生徒、、、じゃあ、1時間50リンギットでどうだろうか??(笑)

 

リンダの仕事は高級衣類を扱う会社を営んでいるとのこと。

順調とのことで良い感じです。

もし詐欺なら、ビジネスが上手くいっているとは書かないだろうし。

そうは言っても、これは油断させるための罠かもしれません。

疑ってごめんなさい、リンダ。

目の前の相手が見えないと、それが誰でも不安になるので仕方ないですよ。

 

次は、軽く経済ネタ。

最近の物価高や円安について話題を振りました。

インフレの兆候ありとか、米国市場の影響とか、きちんと知っていました。

流石は物流の経営者です。

これでさらにリンダを信用できました。

 

マレーシアの通貨をネットで調べたら1リンギット31円でした。

そこでそれについてどう思うかを尋ねてみました。

あまり恩恵は感じられないとのこと。

やはり、アメリカが極端に通貨高、日本が極端に通貨安なのでしょう。

 

久しぶりに英語チャットして良かったです。

言葉は使って生きるものですから、どんどん実践するべきです。

 

出会い系アプリは怪しいという先入観があります。

そのため、ノータッチの人は少なくありません。

私もノータッチのときもあります。

しかし、それでは何も発見がありません。

 

今回のアプリを利用する前に、実際の利用者の意見をいくつか読みました。

それにより、どの程度のリスクがあり、何をすれば安全に使えるのかが分かります。

それでも完全に鵜呑みにはしませんが、スマホもPCもセキュリティソフト入っていますし、過度な警戒心は不要かと思います。

相手が急にお金の話すれば、そのときにやめればいいと思います。

そして、また新しい相手との出会いがやってきます。

そうやっているうちに、いい相手が見つかると信じています。

アプリ利用者もそんな感じで記事を載せていました。

 

デジタル時代は改めて凄いなと思います。

今後も使えるものは積極的に使おうと思います。

中学生へ、当校おすすめの授業メニュー

1 英語の長文読解トレーニング(レベル:中以上)

上手な解き方、読解のテクニックを重点的に教えています。わが県の入試では、読解系問題が5~6割出題されていますので、しっかり鍛えておきましょう。

実際の生徒の声→毎回のように長文問題を解くので、パターンがつかめた。また、速読の方法を知れたので、本文の内容が早く分かるようになった。

 

2 数学の大問1対策(レベル:下~中)

計算や方程式を解く問題、角度や長さを求める問題など、わが県の入試の大問1に出題されやすいものに焦点を当てます。ここで9割の正答があれば全体の4~5割くらい点数化することができます。そのためにも、凡ミスを無くすトレーニンも兼ねています。

実際の生徒の声→最初は凡ミスばかりしていっぱいピンがついていたが、トレーニングを頑張ってやったのでしょうもないミスが減った。その結果、くそ悪い点数をとらなくなった。真面目にやって良かった。

 

3 数学の関数・図形(レベル:中以上)

標準~入試レベルの問題に多くあたります。指導員の私が学生のころ、関数が得意になったことで数学が好きになりました。生徒たちにも体験してほしいと思います。わが県の入試では、関数・図形は大問2つ分に相当し、配点にすれば25~30点を占めています。パターンをつかみやすいこともありますから、早期に克服すべきだと思います。

実際の生徒の声→毎回、関数と図形を解いているうちに、前にやったパターンというのが分かるようになった。図形は難しいと思って嫌だったけど、点数を上手くとる方法が分かって良かった。もっと前からやっていたらもっと伸びていたと思う。

 

4 理科・社会のポイント暗記(レベル:下~中)

試験に出やすいところのみをまとめたプリントを配布しています。そのプリントの内容を暗記するにあたって、必要ならば覚え方やコツを伝授しています。家ではなかなか覚えられない生徒は、塾で暗記のコツや習慣を身につけましょう。それに慣れれば家でもできるようになります。

実際の生徒の声→塾で覚えてもいいなんて思っていなかった。覚えるのは全部自分で家でしないといけないと思っていたので、気が楽になった。覚えにくいところは覚え方をいろいろと教えてもらったので、今でも覚えていることはある。

 

5 理科の理解系・計算系問題(レベル:中以上)

力と圧力、水蒸気量計算、電流と磁界、イオン、運動とエネルギーなど、暗記では乗り切れない分野について、標準~入試レベルまでの問題に多くあたります。まずは、自分の苦手な分野をリストアップし、その上位のものから克服していきましょう。広く浅くというよりも、少数の分野に徹する方向で進めます。「〇〇の分野は得意にできた」と早期に言えるようにするためです。

実際の生徒の声→リストアップなんて初めて知った。今まではそのときにやらないといけないことをやっていて計画性がなかった。リストアップの上位の分野は、たくさん克服できてテストでもできたので良かった。これからも自分でそうやってやろうと思う。

 

以上の5つがおすすめの授業メニューです。

参考になれば幸いです。

『早起きは三文の得』コース新設

当校では、2022年7月より、土日特訓が始まります。

朝の3時間を利用して授業を行います。

kobetsu-gakushujukutcram.jimdofree.com

このコースを通して、3文の得を教えたいと思います。

朝早く起きれば、何かしらの利益があるのです。

休日くらい朝はゆっくりしたいなんてもったいないのです。

今回の記事では、何が得なのかについて書きます。

 

まず、朝学習の効率が抜群に良いことです。

朝は前日までの脳の疲れがリセットされています。

スマホで例えれば、充電状態100%って感じです。

こんな最高の状態をフル活用しないわけがありません

いつもの夜学習と比べてみて、勉強がはかどることを自ら実感するでしょう。

問題文が1回で理解できたとか、早めに計算できたとか、思い出すのが一瞬だとか。

 

次に、勉強のエンジンを早めにかけられることです。

午前中、塾で気を引き締めて勉強することでエンジンがかかります

午後も、多少の休憩をとったとしても、その後にエンジンはかかりやすいでしょう。

真面目な生徒なら。

夕方ごろに自学を始めるときに、午前中のことを思い出しやすいです。

午前中に処理できなかったり、気になっていた内容をせねばと考えるからです。

しかし、昼まで寝ていたのなら、エンジンはかかりにくいでしょう。

朝ごはん、いや、昼ごはんをダラダラと食べて、しばらくぼ~っとしているなんて、ありがちですね。(恥ずかしながら自身も経験あり)

 

3つ目は、良質な睡眠がとりやすいことです。

朝から活動することで、1日の疲れは夜早めに訪れるものです。

日付が変わるまでには床に就きたくなるでしょう。

そしてまた次の日も早寝早起き、その次の日も。

睡眠の質が良くなるだけでなく、風邪などの病から遠ざかれます

しかし、昼まで寝て夜更かしする生活はどうでしょうか。

不規則な生活は自律神経を乱し、病に対する免疫が低下します。

塾や学校でもしんどくなって、勉強の質が悪くなってしまいます。

それは避けないといけませんね。

 

ところで、私は早寝早起きをする塾講師です。

しかし、夜の授業では全く眠たくなりません。

そのわけは仮眠にあります。

生徒にも仮眠を勧めています。

授業前に15分程度の仮眠が効果的です。

スマホで例えれば、充電20%が50%に戻る感じです。

教える側も教わる側も、最高の状態で取り組みたいものですね。

わたしの厳格条件

できなかったら竹刀で叩かれる・・・。

私が中学生の頃に通っていたスパルタ塾ではふつうに行われていました。

戦争参加者だったY先生、その節は大変お世話になりました。

Y先生の厳格極まるご指導のおかげで、数学が得意になりました。

 

私がY先生の立場(塾講師)の今、「本気と楽しさ」をモットーに指導しています。

「本気」の中に厳格というワードがあります。

しかし、私にはY先生のようなスパルタ指導はできません。

時代の違いはありますが、生徒に手をあげるなんて怖いからです。

体罰はタブーだと思い込んで今に至っています。

 

体罰よりも軽い厳格さは持っています。

しかし、その厳格さは必要に応じて用いています。

言い換えると、必要が無ければ全く厳格な指導はしないということです。

最初の面談のときには、厳しい塾だと思っていたけど、全然そんなことなかった。

なんて思った生徒はいます。

そんな生徒は何度も指摘されなくともできる生徒だということです。

 

また、こんなタイプの生徒にも私の厳格さはいりません。

目標が高くない生徒、成績度外視の生徒

現状の成績よりも少しだけ上を目指す生徒には緩めの指導で大丈夫だと思っています。

例えば、全部はできなくてOK、少し分かればOKなど。

実は私には非厳格的な面もあるのです。

 

わたしの厳格条件を何となくお分かりいただけたのではないでしょうか?

そうです、上記の逆のタイプの生徒です。

多数がこのタイプに属します。

目標が高い生徒、成績重視の生徒、また、その親御さん

この場合、緩めの指導なんてできません。

そんなことをすれば、生徒は安心するだろうし、わたしは舐められるかもしれません。

私が新米講師のころは生徒に舐められていました。

いったんそうなれば、まともに耳を傾けるなんて無くなります。

それは絶対に避けなければならない!

 

消去法的に、厳しい指導をせざるを得なくなります。

そのための方針も必要になります。

完成度を上げることや完全理解するまで質問するなどがそれにあたります。

現状の成績を大きく変えることが求められているわけですから仕方ありません。

当校では、このことを最初の面談時にお伝えして賛同していただいています。

 

従順で指示通りにできる生徒は成績の改善が期待されます

面談時の大切なお話を理解してもらったのだと私は嬉しく思います。

 

しかしながら、そうではない生徒も中にはいます。

面談や書面では賛同していただけたものの、実際は違ったということです。

規約違反で違約金〇万円頂戴しますなんて、他のところではありそうですが、わたし

そんな物騒なことはしません。

代わりに退会していただきます

それはその生徒と保護者の方のためです。

合わない塾だと証明されたわけですから、どうか合う塾を早く見つけていただきたい。

時間は元に戻らないのですから、早めに合う塾で落ち着かれたらいいと思うのです。

 

このような残念な結末にならないために、熟考してご入会を判断くださいませ。

塾だけに熟考が必要です。(笑)

 

当校の方針に合う人もいれば合わない人もいます。

例えれば、青色の服しか売らない衣料品店には、青色の服好きが集まります。

しかし、青色が苦手な人は見向きもしません。

わたしはそれでいいと思っています。

逆に、豊富な色のある衣料品店にはしたくありません。

できるだけ多くの人に来てもらいたいなんて欲張りだと思います。

特に塾の場合は、色を決めた方が選ぶ側が選びやすいはずです。

 

最後に、当校では厳格な指導が行われることがあります。

そのための方針が存在します。

成績を改善したいと切に望まれるなら、どうかご理解くださいませ。

名古屋の塾を思い出しました

1998年、私が25歳のとき、愛知県で塾講師になりました。

最初はアルバイト採用。

担当科目は小・中の数学(算数)・理科。

配属先は当知校と太平通校、、、今でも地名覚えています。

しばらく勤務して分かったのは、その2つの校舎はつぶれかけだったということ。

また、そこの生徒たちは荒れていました。

きつく叱っても全く響かないと先輩講師がよく嘆いていました。

 

そんな問題校での私の記憶をたどってみます。

当知校では社員並みのクラスを担当することになりました。

文系科目担当のY先生(社員)と理系科目担当のわたし。

 

個別クラスでは、全く話せない小学生を担当していました。

その生徒は障害のため話せないとのことでした。

授業では私が一方的に話すだけ。

でも、その生徒は従順でした。

「じゃあ、この問題を解きましょう」と言うと、すぐさま鉛筆をにぎりカリカリと。

 

双子の男子小学生も担当しました。

その子たちは最低限の発言をするだけでした。

休憩中も無表情でじっと座っているだけでした。

冗談で笑わそうとしても、私の冗談が面白くないのか、全く笑顔を見せてくれませんでした。

ただ、淡々とした授業はスムーズに進みました。

 

ジャニーズ好きで活発な小6女子も担当しました。

授業中でもいらない話をたくさんふってきて私は困っていました。

反抗期が入っていたのか、従順さがまるでありませんでした。

ある日、私の怒りは爆発し、叱責したことがありました。

その日から大人しく授業を受けていました。

しかし、陰で愚痴をこぼしていたことを別の生徒から知りました。

最終的には、中学受験が上手くいきほっとしました。

 

中学生のクラスは活発な生徒がとても目立っていました。

授業をまともに聞いてくれませんでした。

よく大声で静かにするよう求めたものです。

でも、すぐにうるさい状態に戻りました。

真面目な生徒が嫌な顔をしていました。

その子たちに申し訳ないという気持ちで、クラスを鎮めるのに私は焦っていました。

先輩講師も困り果てていました。

社員のY先生は1人の生徒を呼び出して、大声で説教したりしていました。

本当に大変な校舎だなという印象でした。

 

太平通校の生徒にも手を焼きました。

私は新人でしたから、当然なのですが。

授業中に席を立って、教室の壁と壁の間を往復して喜ぶ生徒。

すぐに横を向いて、当たり前のように私語をする生徒。

「先生になんか挨拶してやらん」と言いながらそっぽ向いて校舎に入ってくる生徒。

今の私なら、きつく叱って正そうとするでしょうが、、、。

何を言っても分かってくれなかったかもしれません。

そのためなのか、塾長も先輩講師もあまり対処しませんでした。

下手に事を大きくして、保護者からクレームがくるのを恐れていたのかもしれません。

何せ、つぶれかけの校舎でしたから。

 

時間割の面では、土曜日がとても忙しかったです。

13時から夕方ごろまで当知校、そこから車で移動して太平通校で22時まで授業。

休憩はほとんどなく、食事は車内で信号待ちのときに済ませたりしていました。

先輩講師は授業の合い間の5分くらいでおにぎりを吞み込んでいたとのことでした。

労働基準法など、そこでは通用しない世界でした。

私は授業が好きだったし、修行だとも思っていたので、つらくはありませんでした。

 

数か月が経ち、私は異動を命じられました。金山校に。

塾長が「金山は、大変だぞ。厳しいぞ。」と少し微笑んで話していたのが印象的でした。

同時に、理事長に呼ばれ、社員にしてもらえるとのことでした。

異動先の初勤務の日、金山校の塾長と対面しました。

何と、私より1歳年下の女塾長でした。

「この人が厳しい?」と不思議に思うほど、かわいらしい新塾長でした。

しかし、時間の経過とともに塾長の印象は変わっていきました。

自分にも他人にもストイックだったのです。

 

(前回からの続き)

塾長は長時間勤務を当たり前のようにしていました。

休校日も自主勤務して、生徒に補習をしたりしていました。

そういう人でしたから、最低限のことしかしない部下は嫌いなようでした。

37歳の社会の先生とは価値観が合わず、少し口論になったと耳にしました。

理事長から毎晩のように電話がかかってきて、報告を逐一行っていました。

当然のごとく、社会の先生のことも洗いざらい報告していました。

後日、社会の先生が来なくなりました。

理事長がやめさせたのでしょうか??

塾長を敵に回してはいけないと悟りました。

 

それ以降、わたしは塾長に忖度するようになってしまいました。

もちろん、無理した状態でした。

同僚の先生方も塾長に嫌われないように頑張っていたようでした。

塾長がいないときに少し愚痴を言い合ったこともありました。

そうでもしなければストレスがたまる一方だったので。

 

食生活はとても悪かったです。

塾長もそうでした。

毎回コンビニの弁当やらパンやら。

睡眠もあまりとれませんでした。

塾長もそうでした。

塾長は化粧がとれかかっていても気にしてなさそうでした。

それよりも、塾の仕事のことが一番のようで。

ワークホリックだったんでしょうね。

 

「明日は休校ですけど、わたしは小学生の受験科の子たちに補習をします。」なんて塾長が口を開けば私は恐怖でした。

「じゃあ、僕は中学生のテスト対策をします。」と言わなければいけなかったのです。休みの日はゆっくりしたいと思いながら嫌々言っていました。

「僕は疲れが溜まっているので、明日は家でゆっくりします。」なんて言ったらどうなることか・・・。社会の先生の二の舞になるかもっておびえていました。

 

受験シーズンが来ました。

中学受験する小6の塾生の応援のために各中学に出向くことになりました。

そのときの服装は、指定されたブレザーでなければいけませんでした。

当日は積雪があるほど冷え込んでいて、ブレザーの上にコートが必要でした。

しかし、コートを着てはいけないと塾長に言われ、震えながら外にいました。

悪い食生活、不十分な睡眠もたたり、私は高熱を出してしまいました。

応援の日の夜に授業があったのですが、私は教壇に立てる状態ではありませんでした。

塾長に早退の許可を求めたとき、塾長はやはりストイックでした。

「そうですか・・・そしたらその授業は誰がするのですか?」

私は唖然としていました。

 

このままでは殺される寸前までいくかもしれないと思いました。

「すみません。早く横にならないときついです。」と言ってその場を去りました。

熱は39度、、、ふとんの中で安堵感もあり、不安感もある一夜でした。

翌朝の目覚めとともに、悪夢の1日の始まりを予感しました。

塾長にどんな顔をして合えばいいんだろうか?

「昨夜はすみませんでした。今後は体調管理をしっかりします。また、できなかった授業は別の日に必ずしますから。」なんて言えば赦してもらえるだろうか?

 

悪夢の1日を覚悟して、塾長と対面。

すると、塾長は笑顔でした。

表面的には赦された感じでしたが、胸騒ぎがしてなりませんでした。

数日後、理事長に呼ばれました。

予感が的中してしまいました。

「君には期待して金山校に配属したのに残念だ。次から〇〇校へ行ってもらいます。」

やはりそうですか・・・。左遷、か??

 

〇〇校って、校舎の名前を忘れましたが、明らかに儲かっていない校舎でした。

近いうちに切り離すなんていううわさもありました。

やっぱり左遷でした。

今回の流れに、26歳の若き自分はどうも納得がいきませんでした。

体調管理なんてさせてもらえないくらいの労働環境に加え、防寒具さえ認めてもらえなかった理不尽さ。

今の時代ならハラスメントで訴えられるレベルだろうと思う。

しかし、平成10年のその当時はそんな時代ではありませんでした。

いや、その塾がブラックだっただけなのかもしれませんが。

 

左遷先ではあまり授業コマをもらえず、報酬が半減しました。

これもまた天罰を与えられたのだと悟りました。

この塾はここで終わりにして、新たな場所に移ろうと決意しました。

やめるときはやめやすかったですね。

それはとても助かりました。

 

次の塾を探すときに、1つ鮮明に覚えていることがあります。

募集先に電話で問い合わせたときのことです。

「理系科目を担当させていただけるのですか?」と尋ねたら、そこの塾長らしき人が声を荒げて「いや、誰が何を教えるのかは僕が決めるの!君は僕が言う通りに動けばいいだけ!」

おかげで面接に行く前に応募をやめることができました。

この業界、個性の強い人が多いというのは本当なんだと実感しました。

 

見つかった塾は名古屋から1時間車を走らせたところにありました

橋を渡れば三重県という愛知の外れの町でした。

地方出身者の私にとっては住みやすい場所でした。

田園風景を目の当たりにしながら徒歩で通勤していました。

そこの塾長は嫉妬深い人でした。

いろいろと予期せぬことを勉強させてもらいました。

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

条件付き英作文のピンキリ解答

高校入試の定番問題となっている条件付き英作文。

生徒によって答えは様々です。

Why do you study English?(なぜあなたは英語を勉強するの?)を例に挙げてみます。

 

ある生徒ABecause it's interesting.(なぜならおもしろいから)と答えます。

ある生徒BはBecause I think people who can use English are cool.(英語を使える人は格好いいと思うから)と答えます。

 

この2つの答えについて、どう思われますか?

生徒Bの方が優れた解答をしていると思われるでしょう。

I think S+V、関係代名詞whoなど、中学英文法を上手に組み込んでいます。

私も生徒Bの解答には称賛したいです。

 

しかし、両者の答えはどちらも正答です。

配点が5点なら、両者とも5点プラス。

得点だけを見れば、どちらの生徒も同等のレベルということです。

生徒Bの能力が正当に評価されていない点が残念ですね。

 

生徒Aが悪いわけではありません

ただ試験の受け方が上手なのです。

試験の採点ルールをふまえているのです。

ルールが変わらない限り、生徒Aのやり方で充分です。

試験が終わった後、問題の復習をするときにベターな答えを考えたらいいですね。

 

生徒Bのような答えに対して、学校以外の場、例えば塾なら評価できます。

私なら、さきほどの解答について本人にこうコメントします。

あなたの答えは5点以上の価値があります。既習の英文法がいくつか入っていることと、1文を10語も用いて味のある内容にできているからです。

 

もし私が生徒Bの立場なら、こんなふうに評価してもらいたいです。

それが次のステップへの原動力となるでしょう。

能力をさらにアップさせるためには向上心は欠かせませんから。

 

私が学校側の人間なら、条件付き英作文の評価基準をこう変えたいです。

配点はどちらの生徒も5点だが、より良い答えにはボーナス点を加算する。

その加算分は内申点のように、別枠で考慮されるものとする。

 

こんなふうにすれば、英語が得意な生徒は、もっと得意を目指すようになるのではないでしょうか?

 

100点を取ってもさらに上を目指すことは可能です。

頂上の上には別世界があります。

空気は薄くなっていきますが、それは試練の象徴です。

誰もが容易に成し遂げられない価値あるものだということなのでしょう。