有名教育評論家の考えに深く共感!
尾木ママこと、尾木直樹氏の講演会での発言について、私は素晴らしいと思いました。
発言された1つ1つについて、以下に取り上げ、私の考えも添えようと思います。
まず、尾木ママ「AI(人工知能)の登場により、IQ(知能指数)よりも感性やコミュニケーション能力などの『人間力』を養うことが重要になってきている。」
以前から私も同様のことを考えていました。
当塾開校時(2003年)から、私は『人間力』の指導にも力を入れてきました。
ただ、『人間力』は英語や数学などの学科の指導と違い、内容が漠然としています。
数値化されないし、何をどう教えるべきかが容易ではありません。
1つできていることは、コミュニケーション(意思疎通)能力の育成です。
挨拶や返事、質問や確認など、学びの場で必要となる意思疎通を重んじています。
最初はなかなか発言できなかった生徒も、努力と時間を重ねることでできていきます。
人間力の1つであるコミュニケーション力を塾で養えるのはメリットです。
次に、尾木ママ「近年、農業高校や工業高校の生徒が飛躍する傾向がある。好きなことに取り組む過程で、それを極めるために苦手なことも楽しんで挑戦して身につけるためだ。『好き』にこだわると地頭が鍛えられる。」
数十年前の日本教育なら考えられないことでした。
いい高校、いい大学、いい仕事に就くことが大事なんだなんてことが風潮になっていましたから。
それが今や、生徒自身の好きなことをやりましょうと変わってきているのですから。
これは集団主義から個人主義への転換が後押ししているように思います。
苦手なことはふつう避けて通りたいと思うものです。
しかし、そもそも好きな分野の中での苦手なことは別物だと思います。
学科の内容で例えれば、数学が一番苦手、社会が一番得意な生徒に対して、数学を頑張らせるのではなく、社会の中で苦手なところに挑戦させるということなんでしょうね。
ただ、生徒や保護者からの要望も考慮しなければなりませんが・・・。
さらに、尾木ママ「コロナ禍でマスクを着ける場面が増え、子供に共感能力が身につく機会が減ることが危惧されている。日本人は奥ゆかしい性質があるが、欧米人のようにボディーランゲージで気持ちを表現し合うことが大事だ。」
塾の授業でも、対面授業では互いの気持ちを理解しにくいと感じることがあります。
いつも平然と学習内容を伝えるだけなら問題ありません。
しかし、教える側も教わる側も感情を持った人間です。
そのため、気持ちを伝達するときはマスクは弊害となります。
一方、オンライン授業ではそんなデメリットはありません。
現代の高度なデジタル技術のおかげで、互いの表情はよく確認できます。
生徒の表情を指導員が読み取ることは大切です。
学校で嫌なことがあって、気持ちが沈んでいる時に勉強に力は入りません。
表情をしっかりと認識できるからこそ、生徒の気持ちを読み取れます。
私がオンライン授業を推している訳はここにもあるのです。
最後に尾木ママ、「頭ごなしに怒るのは論外。『どうしたの?』と聴く姿勢を示し、返答には意識的に相づちを打って聴いてあげると良い。」
以前から怒る指導はダメだと、尾木氏はお考えになっています。
今もなおそのお考えに変わりはないことが分かります。
指導員も人間ですから、怒りの感情が湧いてきます。
しかし、そこをぐっとこらえて、冷静に対処することが尾木ママ流です。
私もやろうとしていますが、なかなか難しいものです。
尾木ママ流で臨んで、すべての生徒がいい方向に行くばかりではありません。
中には、優しい指導をいいことに舐めてかかる生徒がいます。
また、大きな声を出さないと聞く耳を持たない生徒もいます。
そのような場合があるので、怒る指導をゼロにはできません。
残念ですが、世の中きれいごとばかりではやっていけません。
尾木ママ流は理想的ですね。
願わくばいつもそうありたいものです。
今回の尾木氏の発言、改めて彼の教育の在り方を学ばせていただきました。