教えない指導法について
塾は、分からないところを分かる状態にする場所です。
分かる状態にするための手段は、生徒が質問して先生が返答する。
これが普通ですね。
しかし、生徒が質問をしても先生が教えない塾があるようです。
この場合、生徒はどのようにして疑問を解消するのでしょうか?
自分で調べて解答するのでしょうか?
あるいは、生徒同士で教え合いをするのでしょうか?
私の場合は、最終的に生徒が答えられないと判断すれば、私が教えます。
これは極当たり前のことです。
「自分で調べても、友達に聞いても、何をやっても解決しません。」
こんなふうに主張しても教えてもらえないなんて、どんな考えがあるのでしょうか?
私の推測ですが、まず、指導者がただ怠慢なのではないでしょうか?
20年くらい前に、私が短期間勤めていた塾でそんな先生がいました。
授業時間のほとんどを問題演習させ、その間その先生は外でたばこを吸っていました。
答え合わせは10分程度で済ませ、質問対応の時間もあまりとっていませんでした。
当時の私よりもずいぶん年上の先生だったので、私は何も言えませんでした。
この人は反面教師。
私はこの怠慢人とは真逆の先生になろうと強く誓いました。
考えたくないことですが、こんなタイプの舐めた塾講師が予想以上に生息しているかもしれません。他塾から当校に移ってきた生徒たちからまあまあ耳にしますから。
悪い事例はあるものの、教えない指導法について、私は全否定はしていません。
生徒のメリットになることがあるからです。
調べて理解する手段を知らない生徒はいます。
このタイプの生徒は先生に聞くことしか知りません。
この生徒は明らかに損をしています。
例えば、学校や塾が休みの日、家庭学習中に分からないことに遭遇します。
思考が誰かに聞くこと100%なので、「明日先生に聞こう」とか「親に聞こう」などの発想になります。
親に聞いても解決できなければ、翌日以降に持ち越しとなります。
しかし、調べ方を知っていれば、疑問を解消する時間を早めることができます。
先日、ある生徒がこんな質問をしました。
「先生、おうぎ形の面積ってどう求めるんですか?」
「それは〇〇」って即答せずに、ネット検索の方法を教えました。
パソコンのところへ行き、まずは、生徒に泳がせました。
生徒は自分が思う検索語を入力しました。
しかし、上手く情報を入手できませんでした。
そこで、私が適切な検索語を教えました。
今度はすぐに情報を掴めました。
ここで大切なのは、1度失敗させることです。
これにより比較の体験ができるというわけなのです。
「そうか、もっと具体的に入力しないといけないのか。」などと考えてほしいのです。
今の時代は、ネット検索すればたいていのことは解決します。
検索しても完全な理解に至らないとき、私の出番がやってくるのです。
教えない指導法は、生徒の利益を考慮した上で取り入れるのは有りだと思います。