受動型の1位 vs 能動型の5位
ある家庭Pの方針では、マンガやテレビゲームなどの娯楽を一切与えず、親が子どもに勉強をさせ続けます。このタイプの子どもは従順で、親の指示通りに動きます。
家庭Pの生徒は受動型である場合が多いです。
ある家庭Aの方針では、娯楽も勉強も子どもの意思で決めさせています。このタイプの子どもは自主的に動く場合が多く、親は子どものサポートをします。
家庭Aの生徒は能動型である場合が多いです。
ここで実例(生徒Yと生徒R)を挙げます。
生徒Yの成績は学年トップです。幼い頃から親に塾に行かされ、家でも勉強するよう求められ続けました。成績が少しでも落ちたら、こづかいやスマホを取り上げられたりしました。勉強以外でもたいていのことは親に決められます。
一方、生徒Rの成績は学年5位です。幼い頃からスポーツが好き、活発で負けず嫌いに育ちました。家では成績が悪ければ親が叱ったり子どもの特権を何か奪ったりしますが、それ以上のことは本人が決めます。
どちらの生徒も実際に当校にいました。
受動型のY、能動型のRはその頃の成績ではYの方が優っていました。
しかし、授業の受け方はいくつかの点でRの方が優っていました。
例えば、Rはこんなふうに発言をします。
「先生、それって〇〇ってことですよねえ?」
「え~??どうしてこれってダメなんですか~?」
「もっと早くするやり方があったらなあ~」など。
表情や声の調子が自然なのです。
そして元気で明るく、よく笑ったりします。
一方、受動型のYは自ら発言を控えます。
何か質問があるかを問われたときに、真剣な様子で簡潔に済ませます。
礼儀の面では素晴らしいのですが、そこには緊張感が漂います。
一般的にこのタイプの生徒は好かれるでしょうね。
しかし、脳科学の分野では、何かを学ぶ上で緊張感は妨げになるとされています。
逆に自然体であれば、学びが効率よく進むとのことです。
私はこのことを知っているので、単にいい生徒だとみなせないのです。
受動型の1位、、、1位は素晴らしいですが、本人はどう思っているのでしょうか?
嬉しいのでしょうか?
それとも、何とも思っていないのでしょうか?
もし私がその立場なら、嬉しい反面虚しくも感じるかもしれません。
なぜなら、自分の力で首位をとれているとは言えないので。
能動型の5位、、、本人は生き生きしている感じがします。
上のランクを目指すために、楽しく勉強してそうです。
3位をとれたらスマホ買ってもらえるとか、1位とれたら旅行に連れていってもらえるとか親と交渉したりしているかもしれません。
そういった楽しさのためにも、ワクワクした気持ちを抱えながら勉強に励む、、、そういえばそんな生徒が何人かいたことを思い出しました。
受動型1位と能動型5位の勝負について、個人的には広い意味で能動型5位が優っていると思いますし、塾生として育てたいとも思います。
受動型1位を悪いとは思っていませんが、将来が心配な部分はあります。
自ら動ける人になっているのかどうかという点で。
受動型は能動型を目指しましょう。
そうすれば広い意味でも首位になれるかもしれませんね。